D 槍ヶ岳・穂
高岳
・北アルプスで一番有名なのが、「槍ヶ岳」と「穂高岳」であ
ろう。通常は、いずれも上高地から登るのが普通である。
・「槍ヶ岳(3180m)」を最初に私が登ったのは、中房温泉から「燕岳」へ登り、「大
天井岳」、「西岳」を経る縦走路からで
あった。その時は夏のシーズンであったので、順番待ちの状況であった。しかし、頂上に立ったときの感動は今も忘れない。360度見渡せ、雲海から山々の
ピークが顔を出し、満足感が一杯であった。肩の小屋から最後のピークは、急ではあるが岩は硬く安心して登れる。下りはもっぱら槍沢を利用した。槍沢を登っ
てくる人もいるが、そのだらだらしたアプローチを考えると、非常に長時間苦しめられる。
北尾根から槍ケ岳をのぞむ 千天の出合から硫黄岳
・ 槍ヶ岳へは、「奧穂高岳(3190m)」から「涸
沢岳」、「北穂高岳」へと北に歩く縦走路からのアプローチもあるが相当な困難がある。特に、涸沢岳
を南から北に行くのは岩質のもろい急な後ろ向きの下りを強いられる。ときどき新聞を見ると、涸沢岳からの転落が報道されているのも納得がいく。
・ その他に栃尾温泉、新穂高温泉から沢沿いに槍ケ岳へつめ
るルートがある。このコ−スは比較的時間が節約できる。ただし、冬は滝谷など穂高側の沢からの雪崩に注意が必要。帰路同じコースをとるならば、温泉で汗を
流すのが良い。よく相棒の中西と栃
尾温泉の民宿「わらび」に泊まったもの
である。
E 蝶ケ岳・常念岳、上高地
・ 「蝶ケ岳(2664m)」、「常
念岳(2857m)」へは、上高地の徳
沢園から直登する長塀尾根を登って行く。あまり派手さはないが、西側の西穂高岳、前穂高岳、奧穂高岳、北穂高岳、槍ヶ岳等がまるで絵に描いたように見事に
望まれる。まず、北アルプスを登るならここから始めるのが最も良いと思う。
・ 山に登らなくても「上高地」の夏の散策は、蓼科や軽井沢に劣らぬ魅力があるので、年配者や子でもでも楽しめる。大正池、明神池、徳沢園、横尾から涸沢へ行く途中
の屏風岩まで見ればその魅力は十分であろう。釜トンネルの手前にある中ノ湯の露天風呂も機会があればおもしろい。
・ 早春に上高地に入ったことがある。早朝に松本から沢渡ま
でタクシーで行き、そこから徒歩で釜トンネルを通り上高地には入った。一面が雪に覆われ、太陽の光が反射して眩しかったのを覚えている。非常に穏やかな日
であった。その時は横尾から早
稲田尾根にとりつき屏風のコルから北尾
根〜前穂高岳〜明神岳〜明神沢のルートをとった。横尾のキャンプでは、明日に備えて3人で日本酒で乾杯し、山談議に花が咲いた。2泊目は風の吹きさらしで
ある「北尾
根」でテントを張った。雪崩を避けるた
めである。氷で覆われた岩に4角にハーケンを打って寝た。水はテントの出入口にある雪を溶かして作ったが、朝に起きてみるとそのすぐ横で用を足した跡
〔(NH2)2CO〕があり、危機一髪であった。アイゼンは8本歯のものを用いた。
F 乗鞍岳
乗鞍岳へは家族で行ったことがあります。相当上まで、車で行くことができ、また、道が
整備されているので子供連れでも充分山の気分が味わえる。ただ、夏休みに行くと車が渋滞して中腹の駐車場までがたいへんです。我々は前日に麓のペンション
(P.のりくら:1989.8.11)に泊まっていて、早朝に車で登ったので駐車場も空いていた。
山頂は眺めがよい。
G 御岳
御岳は独立した山であるので、北アルプスの分類に入れるには少しためらう。車か列車
で近くを通った人なら、綺麗な、しかも、威厳のある山容をみれば、一度は登ってみたいと思う山です。私の住んでいる奈良学園前の大渕池のそばに「御嶽山大
和本宮」という神社があり、御岳山が信仰の対象です。
5月に私の相棒・熊田と御岳に登ったことがある。テント泊とし
たが、地面がほとんど氷りのようなところだったので、夜中、背中から寒さが脊髄にずきずきとしみこみ、数十分ごとに目が覚めた思いがあります。季節的に雪
が融けては氷っていたのだと思います。他の山とはちがった何か信仰の対象とした雰囲気が漂っていました。